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クリスマスからだいぶ遅れて到着したM.R.の「クリスマス・カード」はカードですらなく、便箋4枚にも及ぶ重量感のある手紙だった。M.R.が書いているのは最初の1枚の上半分(残りは東邦音大ピアノ科出身の美人妻がびっしりと文字を埋めている)。その出だしの一行は、
We are thankful to the Lord for His great love and manifest blessing..... まいった・・・去年まではもっと普通のクリスマス・カードだったような記憶があるんだけど・・・そして結びの言葉も、 .....we hope and pray for His blessings, that they extend to you. Watch the mail for '05 fruitcake will soon arrive. In His care. 彼が母親から受け継いだレシピで作る最高においしいフルーツケーキが無事届くのも神の見えざる手あればこそ・・・そりゃたしかにそうなんだけど・・・・ #
by mseminar
| 2006-01-13 09:39
| 驚いた話
絶体絶命の窮地に立たされた犬を救ったのが神の恩寵であるなら、誰からも愛された人が38歳という若さで逝くのもまた恩寵の顕現であるに違いない。前者のような事例に恩寵を感じ取ってその存在を確信できるならば、後者のような耐え難いことも耐えることができるに違いない。 周りにいる自称キリスト教信者の中で、唯一本物の信仰を持っていると思われる友人M.R.は、次女にグレイスという名前を与えた。おっとりとした長女レイチェルとは対照的に運動選手だった父親の血を受け継いだ活発なグレイスはよく怪我をする。しかし目の前で幼いグレイスが階段を転げ落ちたときも、彼は顔色一つ変えなかった。 万一、グレイスが(あるいは愛する誰かが)神の元へと旅立つことになったとしても、彼は悲しみはするだろうが、決して嘆きはしないだろう。ましてや「なぜ?」という愚問を発することなど絶対にないだろう。M.R.の人生は傍目には決して楽なものには見えない。「とりあえずこの場は丸く収める」という姑息な技を知らないM.R.は、職場でもしばしばトラブルを起こすらしい。しかしそれでもなお、「なぜ?」のない世界に安住しているM.R.は、世界で最も幸福な人間の一人なのである。 #
by mseminar
| 2006-01-03 09:45
| 驚いた話
(その2から続く)
24日朝 Mさんからメール。K先生がコーギーを引き取ってくれるという報せ。K先生はコーギーを含む犬3匹をすでに飼っているので、もう1匹コーギーを家族に加えるのに吝かではないとのこと。 吉報はそれだけはなかった。警察犬を退役した犬たちの再就職先を斡旋するネットワークと関わりがあるので、迷い犬、捨て犬の里親捜しの際にはいつでも力になっていただけるらしい。 重苦しい夜が明けて清々しい気持ちに満たされた朝、今日はクリスマス・イブなのだ、という感覚が湧いてきた。生まれて初めてクリスマスの意義を実感できたと言っても過言ではない。絶望の淵に立たされていた捨て犬が新たな家族、新たな愛に迎えられるのに、「クリスマス・イブほどぴったりな日があるだろうか?」(フィリップ・ゴンザレス『今日もまた猫たちを救う犬』) Mさん、K先生、そして神様、ありがとう。 (続く) #
by mseminar
| 2005-12-31 23:45
| 驚いた話
(その1からの続き) 23日夜 悩む。そして悩む。8月に毛深い娘が天に帰ってから、二度と犬は飼うまいと心に誓っていた。しかし目の前にはあと数日で殺されようとしている犬がいる。 日本では年間37万匹(!)もの犬が行政の手によって殺されている(「致死処分」と言うらしい)。コーギーを一匹救ったって統計上は何の意味もないはずだ、と薄情な自分を弁護してみる。純粋なコーギーだからきっともらい手も見つかるだろう、と淡い期待に慰めを見いだそうとしてみる。フォン・シーボルトの血をひく博愛の女性は捨て犬、迷い犬を自宅に引き取り続けたが、その結果、邸宅は犬だらけの犬屋敷と化し、さらには不心得者が不要になった犬を近辺に捨ててゆくようになってしまった。自分の生活をなげうって仮に100匹の犬を救ったとしても、なお年に36万9900匹の犬が殺されてゆく。 中にはやむを得ない事情がそうさせた、という人もいるだろう。父親が事業に失敗して自宅を手放し、アパートへと転居したために犬が飼えなくなったAさん。雑種の老犬だったので引き取り手が見つからなかった。泣く泣く(文字通り泣きながら)愛犬を保健所に連れて行かなければならなかったAさんの心中はいかばかりであっただろうか。 たまたま電話を頂戴した心乱上人(*1)に相談してみる。近々二人目の孫が生まれるので無理と言う。ならば鉄人師匠は(*2)、と問えば、たちまち犬鍋にして喰われてしまうだろう、というお答。 最終的に誰も見つからなかったら、自分で引き取るのもやむを得ないのかなという予感に怯えつつ、手当たり次第に連絡してみる。問題なのは、犬好き、あるいは犬を飼える人、はたいてい既に犬を飼っているということである。見殺しにしたという軛を背負って生きてゆくべきか、充分に愛することはできないに違いない招かれざる客と折り合いをつけて生活してゆくべきか、悶々としつつ眠れぬ夜を過ごすことになった。 (続く) *1、*2 心乱上人、鉄人師匠については下記を参照してくだされ。 http://homepage3.nifty.com/heizo/kijintop.html #
by mseminar
| 2005-12-28 11:56
| 驚いた話
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