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江戸の風物の伴奏としてジプシー・キングスを起用した某TVプロデューサーの慧眼には感服を通り越してほとんど崇敬の念すら憶えるが、湯島天神下の居酒屋シンスケにもそれに通底する驚きがある。洗練された料理は居酒屋という範疇には到底おさまらず、むしろ料亭にこそふさわしい質である。それを供する店内は清潔であり近代的であって、明るすぎるほど明るい。しかしシンスケのカウンターで燗酒を傾けるときの最大の馳走は、まぎれもない江戸の情緒に他ならない。 例えば旧友U7氏と訪れるとしよう。互いに容易には解決しがたい悩み、悲しみ、苦しみを抱え込んでいることは先刻承知しているが、そんなことはおくびにも出さずに注ぎつ注がれつ傾ける杯の何と味わい深いことか。郷愁にも似たこの甘いセンティメンタリズムは、シンスケという舞台を得てはじめて輝くのである。 刈谷範兵衛
by mseminar
| 2005-11-17 23:22
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